将棋の1局のなかには、序盤・中盤・終盤とさまざまな局面があります。
それぞれの局面に対しての、考え方や学び方を知っていく事が勝率を上げる為には必要な要素になります。
序盤・中盤・終盤の区切りはどこ?
一口に序盤と言っても、どこまでが序盤でどこから中盤に移り替わるのかは分かりにくいですよね。
良く例えられるのが【起承転結】で例えられます。
【起承】が序盤で、戦う形を決めて自玉の守りを固める等、戦いに向けた準備をする段階になります。
【転】が中盤で、駒がぶつかり合い戦いが始まり、局面が複雑になってきます。
【結】が終盤になりますが、どうなったら終盤になるのかはっきりした区切りはないので、ここではどちらかの守りが崩れ始める・王手が掛かるようになってきたら終盤戦という区切りにしたいと思います。
序盤・中盤・終盤、それぞれの学び方
ここまでは勉強方法について話してきましたが、自分に足りない場面の力をつける為にはどうすればいいかも話していきたいと思います。
なぜなら、人によって得意不得意はあるので、不得意な場面の力というのはなかなか付かないものです。
序盤は得意なので終盤に差し掛かるまでは、優勢になっているなと感じていても終盤でなぜか逆転負け、反対に終盤までは苦しい展開を強いられていても、終盤で逆転勝利なんて事も頻繁に起こります。
特に、自分が不利になる事の多い場面に心当たりがあれば、その場面の学習時間を増やし、一局全体の力をつける事も重要です。
苦手局面の探し方
序盤は得意戦法を見つける
初心者から初めて初段になるまでには、自分の得意戦法を見つけるのが早いと思います。
なぜなら、自分の得意な戦法を指し続けて行けば当然その戦法に対する理解度もあがり、中盤になるまでに不利な状況に陥った、なんて事は少なくなります。
有段者の方で、得意戦法の無い人はほとんどいないと思います。
色々な戦法もありますので一言で表すのは難しいですが、居飛車は攻め・振り飛車は守り、というイメージで大丈夫です。
初段になるまでは振り飛車がおススメ
最初の内は、どんな戦法が自分に合っているのかは分からないものですよね。
私は初心者の内は、振り飛車がおススメだと思います。
なぜなら、居飛車に比べて覚えるべき戦法の量が少ないからです。
例を挙げると、居飛車の場合は矢倉・横歩取り・相掛かり・対振り飛車・角換わり・相居飛車と覚える戦法が沢山あります。
しかし、振り飛車に限って言えば対居飛車・相振り飛車と覚えるべき戦法の量が断然少ないです。
覚えるべき戦法の量が少ない方が、その戦術の理解に使える時間も多くなり、上達の近道になるのは間違いないと思います。
中盤は自分の対局から振り返る
中盤を学ぶには次の一手も大事ですが、すぐに自分の対局を振り返るようにすると上達は早くなります。
なぜなら、対局中に自分が考えていた内容と、対局後に検討した内容を学ぶ事で将棋への理解度が確実に深まるからです。
私は対局後の検討を繰り返す事で、中盤力が格段に上がったことを実感しました。
AIで自分の悪い手を探し、対局中はこう考えていたけど、AIが勧める手を見ていく事で少しずつ力が付いていきます。
悪い手ばかりを探して、そればかりを改善していくのも疲労していくので、自分の良い手も探して自信を付ける事も併せて行っていくのが良いと思います。
駒の交換を目指す
駒がぶつかり合い、中盤戦は特に局面が複雑になってきます。
特に最初の内は大駒の利きを見落とす等のミスが多いので、しっかりと盤面全体をとらえれる力が必要になります。
なぜなら、戦いが始まる中盤戦においては、駒を交換して持ち駒にする・相手の駒を取って持ち駒にする・相手陣に自分の駒を成り込む、と言うのがもっとも重要になってくるからです。
駒の利きを見落として、ただで相手に自分の駒を渡すような事があっては、複雑な局面の中で相手を楽に、自分を苦しくしているのと同じことですよね。
上手く自分の方が得を出来るような展開になれば、それが終盤戦での有利に直結していきます。
中盤の考え方
序盤や終盤はある程度方針が決まりやすいものですが、中盤は特に難しいと思います。
なぜなら、級位者の内は対局中に中盤の形勢評価が自分では分かりにくく、攻める場所・守らなければならない場所がそもそも違う、なんて事も多くあります。
特に中盤戦は難しいと思いますので、私は中盤戦を学ぶために、次の一手やAI解析もしていましたが、伸び悩んでいる時期もありました。
悩ましい局面の多い中盤戦では、どのような方針を立てるのが重要なのかという事も解説している本もありますので、参考にするのも良いと思います。
とはいえ、最初の内はそこまで具体的に方針を立てて中盤戦を理解しなくても、次の一手やAI解析を繰り返し、中盤戦での引き出しを増やすことで、次の指し手を探しやすくなると思います。
終盤は速度計算が大事
形勢互角のまま終盤戦に入り、飛車や角が取れるからと駒得に走ったばかりに負けた、なんて経験は誰にでもあると思います。
なぜなら、終盤は駒の損得より速度と言う格言もあるほど、駒の損得はそれほど重要ではなくなってきます。
特に形勢互角の終盤戦では、一つのミスが致命的になります。
終盤戦では、いかに相手の玉を詰ますかが大事になってきますので、有段者になればなるほど、終盤戦での相手の玉を詰ます為の技術は上がってきます。
寄せ・受け
終盤は詰将棋も大切ですが、寄せ・受けの上手さも必要になってきます。
なぜなら、いくら詰将棋ばかりを学んでもそこにたどり着くまでには、寄せ(詰みや必至の段階に持っていく)や受け(相手からの寄せを防ぐ)を考えないと、詰みの形まで持っていく事は難しいからです。
私は寄せと受けを学ぶことで、どうすれば詰みの形まで持っていけるかの難解な終盤戦でも、学んだ寄せの技術・受けの上手さで乗り越えれる事が多くなりました。
それぞれの囲いには必ず、弱点となるべき攻め筋がありますので、まずはそこから学んで寄せの技術を高めましょう。
相手の寄せを遅れされる、受けの手筋を学ぶことで相手の玉を寄せる時にも役立ちます。
相手を詰ます力が大切な終盤戦にとって、詰みの形まで持っていく技術や上手さを学ぶことで、詰将棋で鍛えた詰ます力を発揮しやすくなります。
(ここに寄せと受けのリンクを張る)
速度計算の考え方
速度計算が曖昧なまま攻めていて、勝てそうだと思ってもそれよりも相手の攻めの方が早かったら、将棋に勝つことは出来ません。
なぜなら、いかに気持ちよく攻めていても、自玉の安全度を分かっていないまま攻めていれば、そこに隙が生まれ逆に自玉を詰まされてしまうからです。
私は有利な状況だからと、相手をいかに詰ます事が出来るかと考えてばかりいて、自玉の危険度を理解していなくて、相手に手を指されて初めて自分の玉が詰んでいる、なんて事も多くあります。
終盤は駒の損得は関係ないとは言っても、自玉の危険度を理解しないまま相手に駒を渡しすぎると、それが原因で負けてしまうものです。
終盤は相手に渡しても自玉が詰まされることのない状態を考えながら、相手の玉を詰ます事を考えるのが大事になってきます。
まとめ
最初から一局のなかで、指し手の意味を考えながら将棋を指すのは難しいと思います。
今は序盤だから戦いの準備・駒がぶつかり出したから中盤・囲いが崩れて来たから終盤になった、などのざっくりしたイメージを持ちながら対局をするといいと思います。
一局の中での盤面のイメージが出来るようになってくると、後々の実践にも活きてきます。
- 序盤は得意戦法を見つけて、自分の得意な戦型で戦う
- 初段になるまでは、振り飛車がおススメ
- 中盤は局面が複雑になってくるので、駒の利きを見落とさない様にする
- 終盤戦はスピード勝負
最初の内は、これらを意識して将棋を指せるようになれば、将棋に対する理解度が上がってきます。
将棋に対する理解度が上がれば、将棋のさらなる楽しさにも気付けるようになるので、是非ともこれらの事を実践してみてください。
あなたの勝率が上がって、さらに将棋が楽しく指せるように応援しています。
記事を読んで頂きありがとうございました。
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