MENU

歩の格言についての解説

歩の女の子
目次

歩の格言

強い人ほど歩の使い方が上手いと聞いたことはないですか。

実際に強い人は歩の使い方がとにかく上手です。

歩は最弱の駒になりますが、数は一番多いので使い道が一番多い駒です。

今回紹介する格言を理解し、歩の使い方の理解を深める事が出来ればきっとあなたの上達の助けになってくれます。

覚えて損はない格言ばかりなので、是非最後まで読んでみて下さい。

一歩千金(いっぷせんきん)

龍の王手に対して☖2二銀と合駒した局面です。

先手は1歩あるおかげで、☗2三歩と打って必至が掛かります。

まさに一歩千金です。

中盤~終盤において、持ち駒の歩は≪値千金≫の価値のある駒になるという意味です。

駒の価値としては一番下ですが、使い道が多様なのが歩の最大の武器です。

攻めは【継ぎ歩】【叩きの歩】【垂れ歩】として、守りとしては合駒として有効な駒です。

歩があるだけで相手の詰みを防げた、なんて事が将棋には多いです。

逆に歩がないばかりに、相手からの攻めを受けきれない、攻めたいのに攻めきれないなんて事も多々起こります。

歩1枚の価値は中盤~終盤に掛けては、時に値千金の価値があるという事を意識してみて欲しい格言です。

開戦は歩の突き捨てから(かいせんはふのつきすてから)

図の局面から先手が攻めるにはどうしたらいいでしょうか。

歩がないと攻めが続きませんので、☗4五歩~☗2四歩~☗1五歩~☗7五歩~☗3五歩と突き捨ててから、☗4五桂と跳ねたり、☗1二歩~☗1一角などの攻めがあります。

下図は突き捨てを入れた後に☗4五桂とした局面です。

いろんな筋に歩が立つので攻めやすくなっています。

ただし、突き捨てには手順も大事で、先に3筋から突き捨てたりすると、☗4五歩を手抜かれて☖3六歩と桂馬とりに歩を突きだされてしまいます。

駒組が終わり戦いの準備が整ったら、すぐに戦いを起こすのではなく、他にも戦いの起こりそうな筋の歩を突き捨てておいた方が良いという意味です。

突き捨てとは、歩と歩が向き合っている状態でこちらの歩を突き、相手に歩を取らせる行為になります。

歩を突き捨てておくと、その筋に歩を打てるようになるし、他の攻め駒を前進しやすくもなるので、こちらの攻めがしやすい状態になります。

しかし、中盤終わり~終盤の局面で歩を突き捨てようとしても、相手が手抜きで攻めてきた時は突き捨ての効果は発揮しません。

開戦する前の段階で突き捨てをすれば、相手も同歩と応じるしかない事がほとんどになります。

攻めようと思った時には、戦いの起こりそうな筋の歩は予め突き捨てれるように意識してみて欲しい格言です。

歩のない将棋は負け将棋(ふのないしょうぎはまけしょうぎ)

図では先手に歩がないので、☗8八歩と受ける事が出来ません

☗7九桂と打つのは、歩でおかわりされてしまい意味がありません。

歩がないばかりに先手陣は受けが難しいです。

最も使い道の多いがないと、攻めても手が続かないし、受けるのも難しいので勝ち目が低いという意味です。

攻めを継続する為にも歩は必要で、受けるときも安い駒で受けれる歩は活躍します。

盤上の駒も含めて、歩があるとないではそれほど違ってきます。

持ち駒に歩がないばかりに本当に負けた経験が誰しもあるはずです。

こちらは【一歩千金】と同じ意味ですが、将棋を知れば知るほど思い知らされる格言です。

5三のと金にまけなし(ごさんのときんにまけなし)

5三にと金を作った局面です。

玉に対してかなり迫力があり、もともとは歩なので高い駒とも交換したくないですよね。

相手陣の真ん中の5三にと金が出来ると、相手の囲いの弱体化や駒得になりやすく、寄せも早くなり勝ちやすいという意味です。

特にと金は相手に取られてもただの歩で、相手の強い駒と交換する事が出来れば、かなり優位に立てます。

中央の位置の5三は、相手がなんの囲いをしていても厳しい攻めを繰り出せる位置になります。

と金の価値が高いのは当たり前ですが、と金の作り方は上級者になればなるほど上手くなります。

早い段階でと金を作れたら、駒得の大チャンスです。

逆に相手にと金を絶好の場所に作られると、一気に形勢が不利になる事もあります。

攻めるにしても受けるにしても意識してみて欲しい格言です。

三歩持ったら継ぎ歩と垂れ歩(さんぷもったらつぎふとたれふ)

図の局面は継ぎ歩と垂れ歩で攻めて行きます。

☗2四歩、☖同歩、☗2五歩、☖同歩、☗2四歩と打って攻めて行きます。

下図のように玉の頭に厳しい垂れ歩が出来ます。

持ち駒に歩が3枚あれば、【継ぎ歩】【垂れ歩】の連続の手筋で、相手陣を攻略できるという意味です。

歩の枚数は出来れば3枚欲しいが、盤上の歩を使う事が出来れば持ち歩は2枚でもこの格言に沿う事が出来ます。

継ぎ歩とは、歩を突き捨てるか打ち捨てることによって、相手の歩を1つ前進させ、さらにもう1歩を相手の歩の前に打つことを言います。

そうして出来た歩の裏の空間(相手陣の2~4段目)に歩を打ち、次の一手でと金を作る為の歩を垂れ歩と言います。

と金を作る事が出来れば大きな駒得のチャンスなので、継ぎ歩と垂れ歩の手筋はかなり効果的な手筋です。

特に中盤において、持ち駒の歩が2枚~3枚以上ある場合は意識してみて欲しい格言です。

と金の遅早(ときんのおそはや)

先手がと金を作った局面です。

と金の活用には☗4二~☗5二にいくまでで2手掛かりますが、後手に早い攻めがない場合は歩と金駒を交換できるので、厳しい攻めになります。

と金は作るのに時間が掛かるが、作って攻めに使う事が出来れば厳しい攻めになるという意味です。

と金を作る為には、相手陣に歩を進めたり、垂らしの歩で歩を成ったりと手数が掛かります。

しかし、攻めになるまでは遅いと金も、実現する事が出来れば大きな駒得をして有利な状況を作る事も可能です。

上手い人ほどと金を活用するのは、と金で攻めるのは遅いように見えても実は早いという事を知っているからです。

【まむしのと金】という言葉もありますが、意味としては似たようなものです。

歩の使い方として、意識してみて欲しい格言です。

と金は金と同じで金以上(ときんはきんとおなじできんいじょう)

後手の穴熊を攻略するには、現状では戦力不足です。

☗6一金と張り付いても、☖同金、☗同龍、☖7一金で弾かれて上手くいきません。

図のように、☗5二歩と垂らして☗5一にと金を作れば、☗6一とで金と歩の交換に成功し、守りを削れます。

と金は金と同じ動きが出来ますが、相手に取られても歩に戻るだけなので、捨てたり交換しやすいので金以上に使いやすいという意味です。

自陣の玉近くにと金を引く事はほぼ不可能なので、受けの場面では意味を成しません。

ただ、攻めの局面ではと金の効果は抜群です。

作るのに手数の掛かると金も、作ってしまえば金以上の働きをしてくれる事も多いので、と金に対して意識してみて欲しい格言です。

位を取ったら位の確保(くらいをとったらくらいのかくほ)

図のように、5筋の歩を銀で守れば、すぐに☖5四歩と反発されても☗5四同歩、☖5四銀に☗5五歩と位を取られる事はないです。

序盤の駒組の段階で、5段目まで歩を伸ばしたら、その歩が狙われやすいので他の味方の駒で守る事が必要だという意味です。

位を取るとは盤面の中央(5段目)に駒を進める事を言います。

そこまで行くと、相手陣にプレッシャーを与える事が出来ますが、伸ばし過ぎた歩は狙われやすくもなってきます。

そのため、歩を守るための駒を近くに前進させておく必要もあります。

相手に位の歩を取られて、位を取り返されてしまった場合は、掛けた手数が無駄になるばかりか自陣にプレッシャーも掛かってきます。

歩を伸ばすときには、意識を向けてみて欲しい格言です。

手のない時は端歩を突け(てのないときははしふをつけ)

駒組の途中ですが、次の手をどうすればいいでしょうか。

☗3六歩と突いて桂馬や銀の活用をみるのは、その瞬間に飛車の横利きが止まってしまいます。

狙い筋があれば良いですが、≪手のない時は端歩を突け≫にならって、☗1六歩か☗9六歩とするのが良いです。

序盤で駒組が進んで、指し手が見つからない時はぶつからない範囲で端歩を突いておく方が良いという意味です。

端歩を突くという行為は、後々の玉の逃げ道の確保になったり、将来の端攻めの足掛かりにもなったりします。

相手が端歩を突き返してきた場合は、相手にも同じメリットがありますが、無理に仕掛けて損をするリスクを回避できます。

手がない時に端歩を突き返された場合は、また指し手に困る事になりますが、攻められた時に玉の逃げ道の確保も出来たと考えれば、それだけでもメリットはあります。

ちなみに、中盤~終盤は手が見えないからと言って端歩を突くのは、ただの1手損になる可能性が高いです。

序盤である程度駒組が進み、手がないから仕掛けようかなと考えた時には、意識してみて欲しい格言です。

まとめ

と金の女の子

今回は歩の格言について紹介してみました。

将棋の駒で1番数が多く弱い歩も、使い方次第で強力な駒に変身します。

上級者になればなるほど本当に歩の使い方が上手です。

歩の使い方に対しての理解を高めて、あなたの勝率アップに繋げて下さい。

歩についての格言を意識することでも、あなたの上達の助けになってくれるはずです。応援しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA

目次