初心者の方向けに簡単な角・飛車・玉に対する手筋をご紹介させてもらいます。
実践で絶対に役に立つ手筋なので、是非最後まで見てみて下さい。
駒を合わせる
相手の駒の利きに同じ種類の持ち駒を打つことです。
合わせる意味としては、相手の駒が邪魔だから相打ちさせる事で盤上から消す。または、自分の駒を取らせることによって、取り返した時に自分の駒を前進させる狙いです。
図からは、後手が☖4四角と打ってきたところで、先手は飛車取りをどう受けるかという場面です。
ここでは☗6六角や☗7七角と【合わせる】手が定跡です。
上図から☗7七角と合わせて、☖7七同角、☗同桂(下図)と進めば、先手は手順に桂馬を活用することが出来ました。再度の☖4四角には☗6六角で大丈夫です。
このように、相手の駒と同じ駒を打って取らせる事で、手順に相手の駒を盤上から消す事が出来るので、使い勝手は多い手筋です。
こびん攻め
図のように玉や飛車の斜め前から攻める事です。
角の利きを活かして、安い駒で攻める事が出来るので厳しい攻めになる事が多いです。
上図では玉が角に睨まれているため、同歩と取る事も出来ず、このまま☗7三歩成とされると、☖同桂でも☖同銀でも、再度の☗7四歩が激痛です。
下図も同じように飛車の斜めから攻められて、☗3四歩に☖同歩と取れば☗2二角成と飛車を取られてしまいますし、放っておいても☗3三歩成とされると☖同桂に☗3三角成で決まってしまいます。
角の利きを活かす事の多い【こびん攻め】は、受ける事が難しいので、攻める時も守る時も気を付けてもらいたい手筋です。
一間竜
相手玉とこちらの龍が前後左右のいずかに1マス離れた地点にいる状態です。
図では3二に金を合い駒しても、☗3一銀、☖1二玉、☗3二龍(下図)となれば詰みです。
この様に玉の逃げ道が限られている状態の一間竜では、何を合い駒しても龍を逃げなければいけない状態にはなりにくいので、攻めが続きやすいです。
一間竜は玉に対して龍の性能が最大限に発揮されている状態なので、受け方が難しく詰めろや必至になりやすい攻めです。
合駒請求
離れた位置から大駒や香車を打って、王手を掛ける事によって相手に王手を回避する為の合い駒を打たせることです。
図では先手に☖1八金と☖2八金の詰めろが掛かりました。銀では受けにならないので、受けるとすれば飛車ですが守りに使うのでは面白くないですよね。
ここでは☗7二飛と離れた位置から飛車を打てば、後手は☖2二金か☖3二金(下図)と合い駒をするようになり、金を使ったことにより自玉の詰めろも解けました。
相手に合い駒を使わせることによって、相手の戦力を削る事で結果として自玉の受けにもなっています。
十字飛車
飛車によって、縦と横の駒の両取りや受けと攻めの攻防両方の働きが出来ている状態です。
上図では☗2四飛と走れば、2二の玉に対する王手と5四の銀の駒取りになっています。
王手を回避するのが優先な為、後手は合い駒をするか玉を逃げますが、☗5四飛となればただで銀を取る事に成功です。
下図では後手のと金が急所に刺さっていますが、☗2七飛と打てば王手と、と金取りになり自玉の受けにも利かす事が出来ます。
飛車は十字に使えともいいますので、縦と横の利きを最大限に活かす事が飛車を最も活用できている状態です。
送りの手筋
相手がただで駒を取れる位置に駒を打ち、その駒を取らせることによって、こちらの攻め駒の前進をすることです。
特に一間竜の形に多く表れる手筋です。
上図で詰みまで持っていくためには、☗2二金と打って玉を【送る】必要があります。
☗2二金、☖同玉、☗4二龍、☖3二合(何を合い駒しても同じ)、☗3一銀、☖1二玉、☗3二龍(下図)までの詰みになります。
実践でも多く現れる筋なので、送りの手筋の形は覚えておいて損はありません。
退路封鎖
相手玉の逃げ道に駒を捨てて、相手の駒に取らせる事によって相手玉の逃げ道を封鎖して逃げられないようにすることです。
自分の駒を取って移動することが出来ない為、相手玉の逃げ道に相手の駒で蓋をするイメージです。
図では、単純に☗6二金と王手を打っていけば相手の駒を取りながら王手を続けれますが、9三~8四までの逃走ルートががら空きの為、相手玉を逃がしてしまいます。
下図のように☗9三銀と逃走ルートに銀を捨てる事が【退路封鎖】のテクニックになります。
後手が何もしなくても☗8二金と☗6二金の詰みがありますし、桂馬か香車で銀を取って来ても、☗6二金から金を寄っていけば、今度は9三の逃走ルートが塞がっていますので詰みになります。
上手く退路封鎖が出来れば、少ない持ち駒でも相手玉を寄せ切る事が出来るようになります。
早逃げ
中盤や終盤で、こちらの玉に王手が掛かる前に玉を相手の駒の利きから離れるようにすることです。
王手は無視することが出来ないので、玉が露出していると、逃げ道封鎖や技が掛けられやすくなる危険があります。
上図は3五の角を☗5三角成とした終盤の寄せ合いですが、自玉が露出しているためこれが敗着になります。
☖5九飛と打たれ、王手なので玉を逃げるか合い駒かですが、☗2八玉と逃げて☖3三飛成(下図)となれば、先手の攻めは難しくなりました。
このように玉が露出していると、技が掛けられやすくなるので注意が必要です。
まとめ
今回は角・飛車・玉に対しての大切な手筋を紹介させてもらいました。
- 相手の盤上の駒と同じ駒を合わせて、相手の駒に取らせる事でこちらの駒を前進させる
- 角の利きのこびん攻めで、攻めの急所を突こう
- 一間竜の形を作って、相手玉を詰ませる
- 合駒請求することによって、相手の戦力を削る
- 十字飛車を意識することで、飛車の働きを最大限に引き出す
- 送りの手筋の形を覚えて、実践で使えるようにしよう
- 上手く退路封鎖をして、少ない持ち駒でも寄せ切れる力を付けよう
- 玉の早逃げをすることで、技を掛けられにくくしよう
初心者の方には少し難しい手筋もあったかもしれませんが、どれも実戦で役に立つものばかりなので、是非とも覚えて実践で練習してみて下さい。
実践で使えるようになっている頃には、きっと勝率も上がっていると思います。
他の駒の簡単な手筋も紹介していますので、そちらの方も読んでみて下さい。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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