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金や銀の格言についての解説

金の女の子
目次

金銀の格言

金や銀は守り駒としてはもちろん、最後の攻め駒としても活躍する駒です。

似たような動きなのに、少しだけ違う所があり、普段の将棋でも金や銀の価値はかなり高いと思います。

≪金駒≫と呼ばれる金と銀の格言を意識して指す事が出来れば、きっとあなたの上達を助けてくれると思います。

金は斜めに誘え(きんはななめにさそえ)

高美濃囲いを崩す手筋にも表れています。

☗7五歩と突きます。それに対して☖7五同歩とすれば、☗7四歩と打ち、6三の金を斜めに誘います。

そして下図のように金の居た6三に香車を打てば銀では取れず、金を逃げても☗6二香成で駒得が確定します。

このように金を斜めに誘うと囲いを崩しやすくなります。

金は斜めに進んだら、元の位置に一手で戻れないので、相手の囲いを崩すのに効果的だという意味です。

金は守り駒としてかなり強力な駒になるので、捨て駒などにより斜めに誘ってしまえば、金の力を無効化出来る事が多いです。

【金は引く手に好手あり】という格言もあるとおり、金は低い位置にいる事でもっとも力を発揮しやすいものです。

ただし、局面によっては金が上がっていく方が有効となる場合もあるので、注意が必要です。

相手の囲いを崩すときには、意識してみて欲しい格言です。

金なし将棋に受け手なし(きんなししょうぎにうけてなし)

この図では金があれば2八か1八に打てば受かりますが、金がないばかりに必死です。

詰める時にもっとも役立つ駒は金ですが、受ける時にも金は重要な駒です。

金は相手の攻めを受けるのに最も適した駒なので、金がないばかりに受けが利かなくなるという意味です。

守備駒としての価値が高い金は、終盤での相手の攻めを防ぐためには、なくてはならない局面が多くあります。

もちろん、金以外の駒でないと受からない事もあります。

しかし、持ち駒から打ってすぐに多くの隣接するマスに移動できる金は、受けの局面でも重要な駒になります。

【金はとどめに残せ】という格言もあるように、金は終盤の攻め合いの中でもかなり価値が高い駒になってきます。

持ち駒に金がある場合は、自玉の安全をしっかり見据えた上で使うように意識してみて欲しい格言です。

金底の歩、岩よりも堅し(きんぞこのふ、いわよりもかたし)

☖8九龍と金取りに龍を作られました。

どう受けるのが相手の攻めを受けやすいでしょう。

☗7九歩と金の底に歩を打つことで相手の攻めを遅れさせることが出来ます。

後手は☖7七歩で金を攻めてきますが、この瞬間は飛車の働きが弱くなっているので、金取りに構わず攻めあえます。

下図で後手が飛車を働かせるには、☖7八歩成~☖7九龍の2手掛かります。

自陣の金の下に打つ歩は、守りにとても優れていて強力だという意味です。

特に自陣に飛車を打たれるか成り込まれた場合は、金の下に歩がある形は守りとしてかなり堅くなります。

しかし、一番下の段に歩を打とうと思うと、予めその筋の歩を切っておく必要があります。

そして、底歩を打った筋には歩が打てなくなるので、二歩には注意が必要です。

飛車などの横からの攻めには強い反面、香車などで攻められると底に歩を打っているがために、歩で利きを止めたり出来なくなる場合もあるので気を付けないといけません。

守りの局面では良く出てくる筋になるので、覚えておいて損はない格言です。

玉の守りの金を攻めよ(ぎょくのまもりのきんをせめよ)

図は矢倉囲いに対しての攻めになります。

他の囲いにも共通しますが、囲いの金を攻めるのが厳しい攻めになるという事です。

☗6一銀と打ち囲いの金を狙うのが厳しい攻めです。

☖6二金としても☗6二同角、☖同金、☗7二金、と打てば後手は持ちません。

下図のように囲いの金を攻めるのが厳しい攻めになる事が多いです。

相手玉を攻める場合は、その近くの守りの金を攻めるのが良いという意味です。

金は相手の守りの重要な駒であると同時に、こちらの持ち駒に出来れば、相手の守備力を削ってこちらの攻撃力が上がる事になります。

また、相手の金を攻める事によって相手が金を逃げた場合も、相手の囲いを弱体化出来るメリットもあります。

相手が金を守って逃がした場合は、手番もこちらにありますので、有利な事が多くなります。

このように他の守り駒を攻めるよりも、金を攻める方が相手にとってのマイナスとこちらにとってのプラスが多いという格言です。

攻めは銀、受けは金(せめはぎん、うけはきん)

序盤の駒組から銀を☗4五に進出して、3四の歩と5四の歩を狙おうとしましたが、☖3三桂と阻止されてしまいました。

しかし、先手はここから攻めずとも☗4六歩~☗4七銀~☗3六歩~☗3七桂と組み替える構想もあります。

このように銀は斜めに引けるので、攻めに活用しやすいです金は銀のように柔軟な動きが出来ません。

下図では、金を使って龍に当てて受けた局面です。

持ち駒に金があれば先手で受けれるので、受けには金が適している事が分かります。

駒の役割として、銀は機動力が高いので攻めに向いていて、金は守備力が高いので守りに向いているという意味です。

こちらは駒の性能をそのまま表しています。

斜め後ろに下がれる特性を持つ銀は、攻めの局面で力を発揮する事が多いです。

そして、移動できる範囲の多い金は、守りの局面で力を発揮する事が多いものです。

他の格言にもありますが、【攻めは飛車角銀桂】【金なし将棋に受け手なし】などの格言にも沿っています。

色々な戦法でも、この格言に沿っている事が多いです。

一局を通しての駒の役割を考える上で、参考にしてほしい格言です。

桂先の銀定跡なり(けいさきのぎんじょうせきなり)

後手に桂馬を打たれて次に☖7六桂で角と金の両取りを狙っています。

☗7七金などしてしまうと角が使えなくなってしまいます。

そこで☗8五銀と打てば桂馬の移動先をつぶす事が出来ます。

受けるのに銀を打たされたとの気持ちもありますが、桂馬が質駒になったので、いつでも取れるという見方も出来ます。

桂馬に対しての受けは、斜め後ろに下がれる銀が適しているとういう意味です。

桂馬の攻めは1マス飛び越えて移動してくるので、銀を桂馬の頭に打つことが桂馬の攻めには特に有効になります。

桂馬の頭に銀を打つと、桂馬の動きを制限でき、なおかつ桂馬が質駒にもなっているので効果的です。

【桂頭の銀】という手筋と同じ意味で、それだけ桂馬の頭に銀を打つ行為は、悪手になる可能性が低いです。

あえてこちらの銀を消費させる目的で、桂馬を打ってくるような場合もありますが、基本的には有効な局面が多いです。

このように桂馬の攻めに対しては、意識してみて欲しい格言です。

歩越し銀には歩で受けよ(ふごしぎんにはふでうけよ)

後手の銀が2枚で攻めて来ている所に☗5六歩と突きました。

後手の銀は2枚とも前に移動できず、使いずらくなってしまいました。

このように歩の前に出ている銀は攻め足が速いのですが、歩を突くことで立ち往生させることが出来ます。

歩の上に出ていく銀を【歩越し銀】と言いますが、歩越し銀にはその筋の歩を突くことが有効になるという意味です。

銀の前の歩が付いてあると、その銀は真っすぐ進めないので、相手は隣の筋の歩と連携して攻めて来る事になります。

しかし、相手の銀の前の歩が突いてあれば、銀取りに歩を突くなどして銀を真っすぐに上がらせ、位置をずらせて連携を弱めたり出来る含みもあります。

銀は真っすぐに進んでは元の位置に戻れなくなる駒なので、基本的には斜めに使いたいので、銀の前の歩を突いておくと銀の動きを牽制する事も出来ます。

序中盤では、銀は歩と連携して攻めるのが基本ですが、歩の前に銀が出てしまうと、その筋の歩を銀と連携するのが難しくなります。

なので、相手に攻めを受け止められてしまった場合なんかは、銀が歩の前で立ち往生してしまったなんて事も起こります。

ただ、歩越し銀が悪いわけではなく、歩越し銀を組み込む戦法もありますので、基本的な考え方として覚えておくとよい格言です。

銀は成らずに好手あり(ぎんはならずにこうしゅあり)

後手は詰んでいます。

銀を成らずに☗3三銀不成とするのが正解です。

☗3銀不成、☖1二玉、☗2二龍までの詰みです。

下図は銀を成った場合です。

☗2二龍に☖2四玉と逃げれるようになっています。

銀は使い方次第という事を表しています。

将棋において、基本的にはほとんどの駒は成った方が得ですが、銀だけは成らずに斜め後ろに下がれる特性を残しておいた方がいい時もあるという意味です。

飛車、角、歩はほぼ100%なった方が得ですし、桂馬や香車もほとんどの場合は成った方が有効です。

局面にもよりますが、銀の特性の斜め後ろに下がれるとういう武器が必要な時もありますので、銀を成る時は少し考えてほしいと思います。

もちろん基本的には、銀も成った方が得になる事が多いです。

≪攻めは銀、受けは金≫とも言いますし、将棋の終盤戦では、銀の斜め後ろに下がれる特性が強力な攻めになる事は多いです。

銀の使い方は多用なので、銀を成る権利がある場合には少し意識してみて欲しい格言です。

玉の腹から銀を打て(ぎょくのはらからぎんをうて)

寄せ合いの局面です。

玉の逃げ道が開けているようにも見えますが、上手く相手玉を寄せたいです。

☗2二銀と打つのが相手玉を逃がさない好手です。

後手玉は☗1三歩からの詰めろになっています。

終盤の寄せの局面で、相手玉の真横に持ち駒の銀を打つと厳しい寄せになるという意味です。

銀を相手玉の真横に打っても王手になりませんが、相手玉の逃げ道を塞ぎつつ上下の斜めからの攻めで寄せるのは、有効な寄せになる事が多いです。

特に王手が出来る場面では、銀で王手を掛けたくなると思いますが、そのまま逃がしてしまう恐れもあります。

詰み以外の局面で、相手玉の真横に銀を打てる場合は意識してみてください。

銀を使った【腹銀】という手筋と同じ意味です。

王手は追うてという格言もあるように、王手を掛けるのではなく次の厳しい攻めをみての寄せを意識して指してみて欲しい格言の一つです。

まとめ

成銀の女の子

今回は金と銀の格言を紹介してみました。

金駒と呼ばれる金と銀には、攻める上でも守る上でも重要な駒になります。

格言ばかり気にして将棋は指せませんが、将棋の有効な手筋の中には格言に沿ったものも多くあります。

今回紹介した格言は、全て必ず実践で現れる格言になりますので、覚えて損はないはずです。

あなたの将棋の上達の助けになってくれる事を願っています。応援しています。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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